東海大学 松前記念館(歴史と未来の博物館)

ホーム > 当館について > 大学コレクション(湘南キャンパス)
≡ 大学コレクション(湘南キャンパス)

大学コレクション(湘南キャンパス)

松前記念館では、本学の教育研究のために収集された貴重な文化財や資料の一部を不定期で展示・公開しています。主な大学コレクションは、①アンデス先史文明に関する遺物(文明研究所)、②古代エジプト及び中近東コレクション(文明研究所)、③考古資料(文学部歴史学科考古学専攻/東海大学構内遺跡調査団)です。これらのコレクションは学内で分散収蔵されていますが、当館ではこれらのコレクションに関する定期的な情報発信と、教育研究で収集された新たな「知られざるコレクション」の発掘にも力を入れてゆきます。

①「古代エジプト及び中近東コレクション」(略称AENET)のサイト
東海大学では、我々が後の世代に残すべき貴重な文化財を所蔵しています。文明研究所では、その中でも古代エジプト及び中近東コレクション(AENET)とアンデス先史文明に関するコレクション(アンデス・コレクション)の二大コレクションの管理運営を行っています。これらのコレクションはいずれも美術史的・考古学的に史料価値の高いものばかりで、古代エジプトは約5600点、アンデスは約2000点収蔵しています。
これらの二大コレクションを皆様に広く知ってもらうために、古代エジプトとアンデスの収蔵品を写真に収めたオンラインカタログを作成しました。お気に入りに登録していただき、随時更新されるコレクション・サイトを楽しんでいただけますと幸いです。

オンラインカタログ
http://aenet.civilization.u-tokai.ac.jp/
http://aenet.civilization.u-tokai.ac.jp/english.php(English)
プロジェクト〜悠久の時を越えて〜
http://papyrus.pr.tokai.ac.jp/
http://papyrus.pr.tokai.ac.jp/english.html(English)

②「アンデス先史文明に関する遺物」(通称アンデス・コレクション)のサイト
アンデス・コレクション
https://andes-tokai.jp/

③考古資料(文学部歴史学科考古学専攻/東海大学構内遺跡調査団)
中空立脚仮面土偶
【1】中空立脚仮面土偶
遺跡名:王子ノ台遺跡(11号館地区)
年 代:縄文時代後期(B.C.1900)
大きさ:推定復元高28cm
怒り肩・猪首、顔面にはいかめしい仮面を着け、踏ん張った脚でしっかりと自立する土偶です。大型に仕上げるために中が空洞に作られています。土偶は縄文時代の精神文化を象徴する遺物として長い伝統をもちますが、このような大型中空の例は、縄文時代後期のある時期に地方限定(関東西南部〜中部地方)で少数例がふっと現れ、短期間で消えてしまいます。そのようなあり方から、土偶を用いた儀礼の質的な変化が窺え、その希少性と価値から『平塚市考古資料50選』に選ばれています。
9点の弥生土器
【2】9点の弥生土器
遺跡名:王子ノ台遺跡(11号館地区)
年 代:弥生時代中期(2世紀後半)
大きさ:奥 甕/30.5cm 手前 壺頸部/12.0〜22.5cm
奥の1点は炊飯用の土器(甕)、左の5点と右の1点は貯蔵用の土器(壺)、右手前2点はコップ形や小さな鉢形の土器です。これらは何軒かの竪穴住居などから出土した土器を集めたものですが、ほぼ同じ時期の食に関わる器の組合せや、文様の様子をよく表しています。こうした点が評価され、9点は『平塚市重要文化財』に指定されています。特筆されるのは、左5点の壺が頸部のみしか出土しなかった点です。この時期の壺は、本来大きく膨らむ胴部をもちますが、意図的な打ち欠きによって頸部のみが残されたと考えられ、弥生時代中頃の関東地方の習俗の一端を窺わせています。
壺形土器と鉄剣
【2】壺形土器と鉄剣
遺跡名:王子ノ台遺跡(14号館地区)
年 代:弥生時代後期(3世紀)
大きさ:壺形土器/高さ24〜35㎝ 鉄剣/長さ26㎝
王子ノ台遺跡では弥生時代の方形周溝墓が19基発見されました。方形周溝墓とは、弥生時代から古墳時代までつくられた墳丘墓の一種で、死者を埋葬する墓坑をとり囲むように、方形に溝をめぐらせた墓です。YK5号方形周溝墓の周溝からは、20個にもおよぶ壺形土器が出土しましたが、そのほとんどが底部に孔をあけた底部穿孔土器であり、死者を埋葬する時、あるいは埋葬した後に何らかの祭祀に供されたものと考えられます。さらに、19基発見された方形周溝墓の中で、唯一墓坑から鉄剣が出土したことから、YK5号方形周溝墓が、王子ノ台集落に暮らし、周溝墓を営んだ人々の中でも、特別な位置づけにあった人物の墓であったと考えることができます。