東海大学 松前記念館(歴史と未来の博物館)

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現在開催中

エントランスロビー企画展「Innervisions 手の世界制作-4」
2024年3月1日(金)~
※神奈川県との協働事業「ともいきアートサポート事業」の成果の一端として、伊勢原支援学校伊志田分教室、平塚盲学校、筑波大学附属視覚特別支援学校、大分県立盲学校の児童・生徒が制作した作品や講師の宮坂慎司氏(筑波大学)、高見直宏(彫刻家)の作品を展示しています。

会期終了の企画展

受け継がれる祈りの心
2023年6月3日(土)〜2024年1月26日(金)
※会期は終了いたしました。ご来場有難うございました。
受け継がれる祈りの心
受け継がれる祈りの心
受け継がれる祈りの心
受け継がれる祈りの心
【休館日】
日曜日・祝日(祝日の授業日は開館)
※8/5,12,13-19,26,9/2,9.16は休館
※12/25-2024.1/8は休館
【開館時間】
10:00-17:00(土は16:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
【会場】
東海大学松前記念館1F特別企画展示室
【ごあいさつ】
東海大学所蔵古代エジプトのヒヒ神像とクラウドファンディング 受け継がれる祈りの心
 本企画展は2021年に行ったヒヒ神像(正式名称は「ホルス神の目を捧持するヒヒ像」)のクラウドファンディングの成果報告を中心に、AENETコレクションの中から古代エジプトの神々にまつわる遺物を集めています。古代エジプト人は太陽神ラーを国家の神として崇めていました。そのため、展示の中にも太陽が表現されているものがいくつかあります。さらに、人間の形をした神だけではなく、動物や昆虫の姿の神々も厚く信仰されていました。現代の我々から見ると不思議ですが、古代の人々にとっては、人間の力が到底及ばないほどの能力を持った動物や昆虫を神として崇拝するのはごく自然なことでした。
 また、サブ展示では東海大学チャレンジセンタープロジェクトEgyptian Projectの学生たちが総力を結集して「古代エジプト人の祈り」を企画しました。こちらでは神々に対する信仰表現だけではなく、人々のあの世に対する怖れから生まれた来世観、埋葬習慣などを取り上げ、解説しています。  古代エジプト人の祈りから生まれた様々な造形をご覧いただき、かれらの想いを感じていただけますと幸甚です。
文化社会学部アジア学科 山花 京子


古代アンデスの音とカタチ
2022年11月1日(火)〜2023年3月31日(金)
※会期は終了いたしました。ご来場有難うございました。
古代アンデスの音と形


「手の世界制作」展
2021年3月3日(月)〜4月30日(金)
※会期は終了いたしました。ご来場有難うございました。
手の世界制作展
手の世界制作展
手の世界制作展
【休館日】
日曜日、祝日、大学の特別な休みは閉館
【開館時間】
10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
【入場料】
無料
※本学学生・教職員以外の方は、事前にご予約ください
問い合わせ先:info.kinenkan@tsc.u-tokai.ac.jp
【主 催】
松前記念館(東海大学 歴史と未来の博物館)
【協 力】
神奈川県立平塚盲学校/神奈川県福祉子どもみらい局共生社会推進課/秦野市点訳赤十字奉仕団/ブロンズスタジオ/山岸鋳金工房/東海大学文明研究所/課程資格教育センター
【展示マップ】
展示マップ
【作品リスト】Download >> 手の世界制作出品リスト

作品リスト
【図録】 Download >> 手の世界制作図録


【ごあいさつ】
 松前記念館(東海大学 歴史と未来の博物館)では、2021年3月1日から企画展「手の世界制作」展を開催いたします。誰もが文化芸術を楽しみ、芸術を通じて人と人とをつなげることを目指す神奈川県と東海大学の共同事業「ともいきアートサポート事業(創作×地域展示)」を契機として企画したものです。障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現は、全ての人が安心して暮らせる社会や、全ての人の尊厳が守られる平和な社会の実現にもつながります。
 学園の創立者・松前重義は、「我々の使命は大学建設だけに終わるものではなく、それを通じて平和国家の、世界平和の建設を実現させなければならない」と述べています。松前は、人と人とが互いに理解しあうことこそが政治的意見や思想の違いを乗り越えて世界平和を実現する第一歩になると考え、学術や文化などの活発な国際交流活動を展開しました。今回の展示では、その思想を受け継ぐとともに、新型コロナウイルス感染症が蔓延し、人々が自由に交流することが難しい現代の中で、芸術を通じた普遍的な人間理解のあり方を考えるきっかけにすることを目的として企画しました。課程資格教育センターが昨年10月から11月にかけて神奈川県立平塚盲学校で実施した彫刻ワークショップで同校の児童が制作した作品のほか、彫刻家の作品も紹介します。
 「手」がつくりだす創造の世界を通じて、人と人とのコミュニケーションや相互理解のあり方に想いを馳せる機会となれば幸いです。
松前記念館 館長 橋本 敏明
【手の世界制作】
 東海大学の教育の源流にあたる望星学塾は、世界一幸せな国としても知られるデンマークのフォルケホイスコーレ(国民高等学校)の教育を範としてつくられました。ホイスコーレは、「生きることについての啓蒙」を重視しました。生命という贈り物に、そして自分自身だけでなく他者とともに生きる共生の人生に光をあてるのがホイスコーレです。20世紀半ば以降、ホイスコーレでは次第にクリエイティブな活動が重要な役割を果たすようになりました。絵画、文芸、陶芸、演劇、ダンス、映画、さらには哲学といった授業科目が設置・強化されました。芸術的な力を伸ばすことだけを目的とするのではなく、芸術を通して自分の頭で考え、行動し、他者を尊重できる人を育てること――自分自身を知り、他者を尊重して共生することが自然と身につくのがホイスコーレのアートクラスです。
 ともいきアートサポート事業の「創作×地域展示」では、このようなホイスコーレの理念を受け継ぎ、人間としての成長を促すようなアート活動の展開を目指しました。平塚盲学校で行ったワークショップは刺激的で、毎回、魅力に満ち溢れていました。盲学校の子どもたちは制作を通して一人ひとりが彫刻家でもあることを肌で感じとりました。この取り組みには、学芸員を目指している本学学生も参加したのですが、学生たちは子どもたちの制作に触れ、自分たちとは異なる世界の拡がりを学び、それを受け入れました。現場ではサポートをする/されるという関係性は消え、創造することの楽しさや造形をめぐる豊かな世界が立ち上がりました。芸術やアートは学校教育のなかで「周辺教科」に追いやられてしまう傾向にありますが、それらは単に手先の器用さを鍛えるものではなく、一人ひとりの思考様式や内面世界、自他の存在を認め合う、ものの見方、考え方を育むことをあらためて確信しました。
 「手の世界制作」というタイトルは、本学文明研究所の研究プロジェクト「20世紀人文学の方法論的再検討(代表:山本和重所長)」の活動を通して出逢った言葉です。樋口聡氏の『教育における身体知研究序説』(創文企画、2017年)の書評会でグンター・ゲバウア「〈手〉の世界制作について」という論文を知り、この言葉の響きに魅了されました。2014年からユニバーサル・ミュージアム(誰もが楽しめる博物館)」の実践やさわる展示(ハンズ・オン)のあり方などを模索していた私にとって、この言葉は、「触覚」による感性的経験の可能性をも予見させる魔法の言葉でした。
 ところで、ホイスコーレの創設者であるグルントヴィはよく「普通」という言葉を使います。元ホイスコーレ校長のヨーアン・カールセン氏によれば、普通というのは、平均的とか退屈とかを意味するのではなく、足が地に着き、真摯に現実の生活に向き合う、平凡で本物の人生のことを意味します。平凡で本物の人生を歩むためにも「手の世界制作」は欠かせません。私たちは手の世界制作を通して、すべての人の尊厳が守られる世界の創造に近づくことができるのです。
 最後になりますが、コロナ禍にもかかわらず平塚盲学校との連携が実現したのは、盲学校の先生方が親身になって協力してくださったおかげです。また、神奈川県福祉子どもみらい局共生社会推進課の皆さまをはじめ、本企画展の趣旨に賛同し、作品を出品してくださった平塚市美術館、彫刻家、ご協力くださったすべての皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
松前記念館/課程資格教育センター 篠原 聰

過去の企画展

2003年(平成15)
建学の源流に学ぶ(リニューアルプレ展示)

2004年(平成16)
情報と文化 無装荷ケーブルからFM東海
東アジアにおいて東海大学は何をしてきたのか

2005年(平成17)
EUはトルコを取り込むことができるか(ヨーロッパと小アジアの文化の同質性と異質性)
日本の歴史・大学の歴史 維新から明治へ

2006年(平成18)
人づくりの歴史 共生へのチャレンジ
建学の理想と実践

2007年(平成19)
キャンパス再発見 山田守の建築思想
情報と技術 FM東海が問いかけたものとは?

2008年(平成20)
現代文明と世界観の変遷①
現代文明と世界観の変遷②

2009年(平成21)
大学創設期の群像 東海大学の教育の源流
東海大学の教育の源流(世界一幸せな国をつくった教育)

2010年(平成22)
昭和史における松前重義(東海大学の建学の理念を探る)

2011年(平成23)
いま、問われる科学・技術(震災を通して私たちが考えなければならないこと)

2012年(平成24)
希望を星につなげ 教育の目的を問う

2013年(平成25)
平和への道 東海大学の教育による国際貢献(東アジアを中心に)

2014年(平成26)
平和への道 東海大学のスポーツによる国際貢献
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/20141017.html

2015年(平成27)
平和への道 東海大学と松前重義の国際文化交流
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/post_241.html

2016年(平成28)
はじまりは望星学塾 教育の原点を見つめ直す

2017年(平成29)
基本は現代文明論 教育の根幹を見つめ直す
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/post_901.html

2018年(平成30)
現代文明論の未来 〜創立100周年を目指して〜
世界のたね展
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/tokaimuseum_go.html

2019年(令和元年)
松前重義とオリンピズム スポーツは人類平和の先駆者である

2020年(令和2年)
コロナ禍により企画展は中止